部下が失敗した場合

人間は、気落ちしているときにお前の責任ではないと言われると、ついほっとして、そうなんだ、おれの責任ではなかったのだ、と思ってしまうものである。こう思ってしまうと、再起に必要なエネルギーを自己生産することが困難になる。ついつい、指導者の判断待ちという、消極性に溺れこんでしまうものだ。

ユリウス・カエサル ルビコン以後(上) P.194

カエサルはドゥラキウム包囲戦での退却・敗走の原因を「オレのせいじゃない。混乱したお前たちが悪いんだ!」といって部下を叱ったそうだ。上のような理由で次に控えているもっと大きな戦いに向けて自軍を立て直すための方便だというが、並の神経では「オレは悪くないんじゃ!」とは言えないね。