鉾建て その2

昨日書ききれなかった函谷鉾の鉾建ての続きです。


昨日書いたのは午前中の話
「御真木」と共に鉾が立ち上がった後は上部に作られる矢倉の組立に参加しました。
参加と言っても、私たちは蔵に片付けられている様々な部材を慎重に運び出し大工さんに渡すだけでしたけどね。


先ずはこんな具合に大工さんが作業される足場がしっかりと組まれます。これらの足場も最後には撤去しました。
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鉾の屋根を支えるための4本の黒い柱が立ちます。この4本だけで上の大きな屋根などを支えているそうです。
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柵が無い渡り廊下を通って部材を運ぶのは若干ヒヤヒヤします。
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こんな具合に屋根が組まれていきます。
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屋根や柱に使われる部材の塗りや彫金の細かさはとても素晴らしいものでした。



屋根が組まれると同時に少しづつ飾り付けも行われていきます。

これらは後で屋根の直下、「欄縁」と言われていたモノの下に取り付けられていました。運ぶ時にかなり緊張して運びました。意外と重たいんです。
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で、最終的に昨日はこんな形になって作業を終了しました。
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そして今日は最終的な飾り付けや車輪の取り付けが行われたそうで、その後曳き初めも行わたようでした。
近所で仕事をする友人が撮った写真ではこんなふうになっていました。
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エエ感じですね。
ギシギシ、ゴトゴトと音を鳴らしながら動く様が想像されます。それに昨日自分が運んだ部材がちゃんとそこに在って、「函谷鉾」として完成した姿をみると、やっぱり手伝わせてもらえてヨカッタなと思えますね。
また巡行の当日に見物に行く予定です。


今回、ご縁で鉾建てに参加させていただきました。
驚くことばかりで、鉾を形作り、飾るための部材の多さと細かさ「スゴイッ!」としか言いようのないものばかりでした。それらを管理、維持され続けている保存会の皆様には脱帽です。
「古い部材でどれくらい古いんですか?」
と尋ねると
「うちは途中で焼けてしもうたから、一番古いもんでも天保10年のもんしかないわ」
とサラッと言われてました。
それでも十分ですよね。

それに大工さんの仕事はエライもんです。現代の組み上げる大工さんもエライですが、鉾を形作る柱などを加工した大工さんも技もスゴイです。木と木の組み合わせ、種類の違う木の使い方ホンマエエ仕事がしてありました。


歴史を感じます。


華やかな懸装品も素晴らしいですが、今回の経験で土台の素晴らしを見ることが出来たと感じて居ます。
華やかなものを際立たせるためには、裏にしっかりとした土台が必要
そんなことを感じた一日でした。