地方の中小企業が挑んだワークライフバランス

早いもので今日から2月、今年も残すところ後11ヶ月である。
今日は一日冷たい雨の日だった・・・

さて、Foresight 2月号の中に上記標題の記事があった。その中で島根県のある塗装店の取り組みが紹介されていた。その中に次のようにあった。

十数年前、同社は、いわゆる「3K」と揶揄される業種特性もあって、人材の確保・定着はとても深刻な課題だった。一人前の塗装職人になるまでには長い訓練期間が必要だが、若年従業員の多くは資格を取得することなく離職していく状況だった。事務職の女性従業員の中には、妊娠・出産・介護といった事情により、時間的な制約に悩む者もいた。

上記内容は私にもとても身近に感じられるものである。私の職場は病院であり、看護職・介護職の人材確保・定着は病院全体の問題として常に存在し、また常に誰かが育児や介護の事について悩んでいる状況だ。だから上記、塗装店の取り組み方はとても参考になり、そのままは難しいだろうが以下のような取り組みが出来ればそれは素晴らしい職場になることと感じた。

次のように職場環境を整備されたそうだ。

子育て関連では、

1.子どもの病気などによる看護のための有休休暇取得(子ども一人あたり五日間、三十分単位で可能)
2.本人・配偶者へ出産祝い金十万円支給
3.保育料の三分の一を補助
4.育児のための始業・終業時間の繰上げ、繰下げ
5.育児短時間勤務制度の導入(個別の事情に応じて三十分から一時間半まで勤務時間短縮を認める)
6.妊婦・子育て中の従業員のための休憩スペースの整備

どれもこれも素晴らしいと思った。特に?や??はありがたい

介護関連では、

?家族の介護サービス利用費用の三分の一を補助
?家族介護のための始業・終業時間の繰上げ、繰下げ制度導入

さらにあらゆる年齢・属性の従業員にとって働きやすい環境を作るために、

1.週平均労働時間を三十九時間に設定
2.年次有給休暇の計画的取得の推奨
3.年次有給休暇は一時間単位で取得可能
4.休日出勤・深夜残業などでの疲労蓄積をチェックし、代休・振替休日の取得指導

を徹底されたそうだ。

その結果若年従業員の定着率が上昇し、ベテランから若手への技能継承が円滑に進み仕事の質が向上したそうだ。
そして同社の常務は従業員の休暇取得と勤務時間の短縮が会社にもたらすメリットを三つあげられていた。

1.代行する人に引き継ぐためには、作業の「マニュアル化」が必要で、誰でも対応できるようになる。また、円滑な引き継ぎには、良好な信頼関係が必要不可欠であり、お互いを思いやる職場風土も自然とできあがっていく。
2.代行する中で業務の無駄を発見でき、効率化につながる。
3.代行した人は新しい経験をすることで成長できる。


「良好な信頼関係」「お互いを思いやる職場風土」は今の世の中なかなか簡単に醸成されるものではない。だからそのような関係・風土が醸成されている職場はとても強いだろうなと想像できる。見習いたいものだ。

先にも上げたがこのようなワークライフバランスにおける同社の取り組みを全てとはいかなくても、幾つかを徐々に取り入れていけば良い職場が形成されることと思う。

多分、現職場は今変革期に差し掛かったいるのだと感じる、より良い方向へと変えて行きたいものだ。