北朝鮮VS.アメリカ〜「偽米ドル」事件と大国のパワー・ゲーム〜

北朝鮮VS.アメリカ―「偽米ドル」事件と大国のパワー・ゲーム (ちくま新書)

北朝鮮VS.アメリカ―「偽米ドル」事件と大国のパワー・ゲーム (ちくま新書)

読了した。大変興味の持てる内容だった。ここに書かれて紹介されている内容が事実かそうではないかは私には判断できない。信じようと思えば信じられる内容だし、その反対もまた出来る。ただ、今まで私が理解していた「偽米ドル」に関する事件の歴史・時代背景等とは幾分違う内容で、「こういう理解の仕方もあるのか」と納得する部分はあった。
本書においては、手嶋龍一氏の著書「ウルトラダラー」が引き合いに出されこの小説の内容をベースに話が進めらて行くのだが、手嶋氏の小説を読んだ後にこれを読むと前者の方が「嘘のような真実と、真実のような嘘」を織り交ぜながら読みやすく仕上げてあるので、こちらは少々理解しにくいことも書かれており読みにくく受け入れ難い点もあるだろうと思う。まあ、それはそれでどちらの内容を支持し自分にとって事実を読み解く指標とするかは自由だ。「正しいことは絶対ある。但しそれは複数ある」と佐藤優氏も著書の中で言っている。だから、この本に紹介されている“公開情報”を丹念に読み解くと夫々が出会う“事実”が複数あるってことだ。それ以上でもそれ以下でもない。
誰が、どの立場にたって、何処の国の利益を体言する言動を行っているのか?そういう風に読むのも一つかもしれあない。

最後に今の時点で一番興味深かったのは、第五章「縮みゆく米ドル覇権と北朝鮮問題の行方」と題された中には、ここ数週間で急激に進んだ「円高・ドル安」のをカラクリを理解する上での一つの面白い事実が書かれている。この話にもう少し早く出会っていたらと読みながら思った。

とにかく、興味のもてる内容だった。