オ○ム真理教って?
長年に渡る逃走劇と、急展開した年末の逮捕、そしてそれに関わった一人の女性の人生。。。
このところまたオ○ム真理教について色々と話題にされている。
オ○ム真理教について記憶に残っている最初は確か小学生の頃だったか、、、通学の途中で話題にしていた。
そして中学生、高校生の頃にはその行動の奇抜さと過激さが話題になって、高校3年生の終わりごろにはあの大きな事件が起こった。
そして大学生になった頃には、強制捜査や幹部連中のやり取りが連日目につくようになっていた。
そんな一連の報道を見ていて、上辺だけ何となくオ○ム真理教について分かったようなフリをしていたが、結局は「変わった人たちの集まりだった」程度にしか理解していなかった。
じゃぁオ○ム真理教ってのはどんなものだったのか?
ってことが気になる訳で、過去に目を通した本の中に説明があったのでそれを引っ張り出してきてもう一度読んでいる。
ナショナリズムという迷宮 ラスプーチンかく語りき (朝日文庫)
- 作者: 佐藤優,魚住昭
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だ。
この中で「ナショナリズム」というものを理解するために、先ずはキリスト教やイスラム教の違いや成り立ちについて説明している。
その流れの中でオ○ム真理教にも触れ、オ○ム真理教とはなんだったのかということを書いていた。
話は佐藤優氏と魚住昭氏との対話で進められている。
こんな具合だ。
佐藤:オ○ム真理教のスタートは仏教系カルトでした。ところが途中で宗旨替えしてしまったと私は見ています。
魚住:どういうことですか?
佐藤:彼らの時間概念が途中で変わっているのです。仏教的な時間概念からユダヤ・キリスト教的な時間概念にすり替わったと私は見て います。時間概念と宗教とは密接に結びついています。時間概念の変化に伴って、オ○ム真理教の内在論理が殺人を肯定するのに 変わったのではないでしょうか。
(中略)
この後、仏教的な「輪廻」からの「解脱」、キリスト教的な「救済」そして「復活」へとオ○ム真理教が変化した説明がされている。
佐藤:(仏教は基本的に無神論、じゃぁ「ブッダは何者?」という魚住氏の質問を受けての話だ)ブッダは人間です。ブッダは世界がす べて虚構だというからくりに気付いた人間なんです。たとえば夫婦なんてものはないし、愛情もない。それは大きな幻想で、その 幻想があたかも実体があるかのように思え、それに縛られてしまうから人間は苦しんでしまう。ブッダはそこから抜け出す方法を つかんだのです。抜け出せない限り、ぐるぐる回り続けます。輪廻の思想ですね。善行楽果、悪行苦果で、たとえば現世で善をな せば次に生まれ変わったときに飢えずに楽に暮らすことができ、悪をなせばトカゲに生まれて地面に這いつくばり苦しい暮らしに なるというふうに。
魚住:その仏教的な世界観では、時間はどのようなものなのですか?
佐藤:時間は円環を描くものとしてとらえられています。暦の発想がそうです−元日、春のお彼岸、夏至、秋のお彼岸、冬至−毎年繰り 返していきますよね。
魚住:オ○ム真理教も最初はこうした時間概念を持っていたということですか。
佐藤:はい。輪廻があることを前提に、そこから脱すること、つまり解脱を目指していました。しかし、その輪廻の思想からは、坂本弁 護士一家殺害の理由づけを導くことができないんですよ。坂本さんをポアしたときにこう言っています。ホッキョクグマかなにか の子宮に坂本さんをポアして輪廻させたんだと。そうすることによって救ってあげたと。
魚住:「救済」の考え方ですか。
佐藤:そうです。オ○ム真理教のすばらしいドクトリンを破壊しようとしている人たちがいる、その人たちは何かに惑わされていて、そ のままにしておくと彼らの魂が汚れてしまう、そうなっては死後、「復活」のチャンスがあるときに「復活」させてやることがで きない、それでは可哀想だ、だからいま、肉体的な生命を抹殺することによって永遠の命を担保するための基礎をつくってあげ る、こういう論理体系なんです。言葉こそ「ポア」とか「輪廻」という仏教系の用語を使っていますが、仏教には「復活」という 考え方もなければ、「復活」させるために「救う」という考え方もありません。明らかにキリスト教的な発想の影響を見てとれま す。
なるほど。
これが正しい解釈とは言えないが、一つの考え方の基礎にはなると思う。
それにしても、世界を構成する人々の基本的な部分に根付く宗教については知らないことも多い。
ヒトを理解する上で、宗教を知ることは大事なことだな。
少し時間をかけてゆっくり目を通してみる。