ホワイトハウスの職人たち

ホワイトハウスの職人たち (新潮新書)

ホワイトハウスの職人たち (新潮新書)


読めました。中々、楽しい本でした。アメリカ的な職人の世界、登場人物のこだわり、そして歴代大統領たちの趣味などなど。私たち日本人が普段感じることのないアメリカが感じられたと思う。
本文より

アメリカ人にとってホワイトハウスの晩餐会は、「政治版のアカデミー賞受賞パーティー」であると言ってもよいだろう。異なるのは、主役にあたる主人と主役だけ。主役は大統領夫妻と主賓夫妻である。

中略・・・

豪華で楽しく、そして品格と権威あるホワイトハウスの晩餐会は、たとえ政治に無関心な人でも興味を示さずにはいられない、現代版の宮廷晩餐会なのである。敷地面積ではベルサイユ宮殿の10分の1に過ぎないホワイトハウスは、その存在意義ではベルサイユ宮殿をはるかに超える「メイドインUSの宮殿」だ。

さらに・・・

この宮殿の日々の営みを支えているのは、ホワイトハウスのウエストウイングに席をもつ政策専門家ではなく、机や書類とは関係のない職人たちだ。
晩餐会や大統領の毎日の食事を用意する料理人から、掃除、洗濯を担当するメイド、パーティーでカクテルを運ぶバトラー、・・・中略・・・ 仕立て屋、大統領執務室に絵を展示する学芸員、折れた椅子を手入れする大工、首脳会談が開かれる会議室に花を飾るフローリストなどが、ホワイトハウスの夢と権力を支えている。

と言う様な前書きの一文である。
とにかく読んでみて、日本の職人さんたちとまた違った意味での“アメリカの職人気質”を感じた!