[読書]国家と神と[[マルクス]] 「自由主義的保守主義者」かく語りき

国家と神とマルクス―「自由主義的保守主義者」かく語りき

国家と神とマルクス―「自由主義的保守主義者」かく語りき


これまで数冊、佐藤氏の著作を読んできた。その後で本書を読んでみると、私が得た素直な印象は「佐藤優の知的世界への入門書」もしくは「ガイドブック」的なものであると感じた。
佐藤氏の世界は興味のある人にはとても楽しいし、そうではない人にとっては苦痛であると思う。
もし、「佐藤優」に興味があっても、まだ著書を読んだことがない人はこの一冊により一歩その世界観に近付ける事だろう。そしてそこから気になる著書へと読み進めていけばいいのではないだろうか。

最後に、著者が世界のスパイ・マスターたちと関係を深めていくうちに気づかれた事を本文の最後の方に書かれている。今の人々に必要な事でないだろうか

自分にとって、絶対に正しい物語が、他者にとってもそうであるとはいえないということを熟知している。従って、スパイ・マスターたちは、いずれも多元主義的で寛容なのである。いつの間にか、この文化に私も染まってしまい、「絶対的なものはある、ただし、それは複数ある」という信念をもつようになった。