10年を経て・・・、何が在る

昨夜は久しぶりにゆったりとした時間がとれたので、ワインを飲むことにした。ワインを飲むのは何時以来だろう?確か先日体調を崩し寝込んで以来だと思う。それ以来軽くアルコールは摂取していたのだが、ワインは初めてだ。
普段は様々な手頃なワイン(ほとんどテーブルワイン)を普通のグラスで飲むだけなのだが、昨夜は何時もと少し趣向を変えて、以前購入した物から一本そしてグラスもちゃんと用意した。
飲んだものはイタリアワイン、BIONDI−SANTI ROSSO DI MONTALCINO 1998だった。これは、独身時代に他のBIONDI-SANTIと共にまとめて購入したうちの一本で(こんなワインは独身時代にしか買えません・・・。)今まで我が家で眠っていた。
妻と共に抜栓、グラスに注ぐ、10年という時を経ているだけあって熟成した色合いとなっていた。しかし、一口飲んでみると10年を経たようなワインでなく、まだ数年しか経過していない印象をとても強く感じた。

そして、妻と共にお互いに10年前は何をしていたのかとたずねあった・・・。10年前はお互いに学生で、それぞれ別の国試に向けて勉強していた時期だった。それから10年、お互いに仕事をして、そして出会い結婚・・・、それから早くも5年が経とうとしている。その間に長男と次男を儲け何とか幸せな日々を送る事が出来ている。最近の二人の会話の中にはよく「お互い歳をとったね」等という会話が出たくるのだが、昨夜のBIONDI-SANTIは見た目は歳をとったようだが中身はまだまだ若々しかった。私たちはまだ5年この一本が経験した時間の半分しか経験していない、まだまだだ。まだまだもっとフレッシュに生きるべきだなと強く感じた。
このワインもピークはもう少し先のように思う。もう一本同じのもが有るのでそれは数年後に飲むつもりだ、その時にはこのBIONDI-SANTIに負けないように私たち二人も良い熟成を向かえ、そして味わい深い夫婦となっていようと思ったひと時だった。

10年一昔、ぱっと考えれば随分昔のように思うが長い人生、栓を抜いてみればそれはほんの一時にしかすぎなかった。