大和ごころ入門〜日本の善によって現代の悪を斬る〜
- 作者: 村上正邦,佐藤優
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2008/04/02
- メディア: ハードカバー
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前回の村上正邦氏に関する一冊に続いて、今度は佐藤優氏との対談集だ。
内容は主にタイトルにもあるように、現代、そして未来の“邦”をより良くするために必要なことは、過去をもう一度しっかりと見つめ直すこと、というような事が全編に渡って記されている。
特に重きを置いている過去の事象は、南北朝時代の日本。後醍醐天皇、北畠親房などの時代だ。その時代にこそ今の日本の停滞感、格差、そしてこれからの発展へと繋がる答えがあるとお2人は語っている。
一連の対談の中で村上氏が次のように話していた。
いまはやっぱり、古代を学ばないといけない。この前、誰だったかな、「古代から学ぶものはないんだ」なんて言っているんですね。「古代を現在に考えていくことは間違いだ」っていうような偉い人の発言がありましたよ。でもそれは間違いだと思うんですね。
いまはグローバルな世界だから、いろいろな国々の、成功しているところから学んで改革をやっていくんだという話があります。
しかし改めることと、改めてはならないものがある。改革とは他国のシステムを導入することではなく、日本の歴史を学んで、その歴史のなかに改革の原型を見つけだすことですよ。
これはまさにその通りだと思う。
他国の歴史は他国の物でしかないんだ。いくら「良い物」だからって自国に当て嵌めてやってみても、実際に上手くいくのは暫くの間だけ、その後はやっぱり「借り物」だから自分の所には馴染まない。結果、また混乱するって事になる。
「ローマ人の物語」なんかを読んでいると、「今も昔も、人のやることには違いがないな」なんて事をよく思い浮かべる。やっぱり、古代ローマと今の国々も似ているんだ、だけど読んでいる時に古代ローマ帝国の姿から私の頭に浮かぶのは、今の国だと「アメリカ合衆国」なんだな。どうやっても日本は想像出来ない、ところどころ「似ているな」って部分もあるけど、やっぱり断然似ているのはアメリカだと感じる。
だから思う、歴史を学んでと言ってもやはり自国の歴史から学ばないといけないと・・・
ローマ人の物語の作者の塩野氏もこういう事を書いていた。「改革とは、再構築(リ・ストラクチャリング)することだ。別の全く新たらしいシステムを持ってくるのではなく、現状において要素を分け、その中から何が必要で、何が必要で無いかを見極める。そして分けた必要な物をもう一度組み立て直す。これが改革なんだ」と・・・
上の村上氏の言葉を見ていて塩野氏の考えを思い出したのだった。
さあ、私も古典を学ぼう!