インテリジェンス人間論

インテリジェンス人間論

インテリジェンス人間論


年末、購入の「佐藤優」シリーズ第3弾!
最初、表題を見たときには「□□□・○○論」ってのに驚いた。まるで「ウェブ進化論」や「ウェブ人間論」の真似かと一瞬思ってしまった。

それはさておき、この本は佐藤氏がインテリジェンス業務を進めていく中で出会った様々な人物たちの紹介や分析である。中にはロシアのプーチン大統領エリツィン前大統領や日本の橋本元総理・小渕元総理・森元総理などの一国の指導者や、果てはイエス・キリストまで多岐にわたる人物が紹介されている。

本書の前書きで、佐藤氏はこのように言っている

人は、できることとと好きなことが異なる場合がある。インテリジェンス(intelligence、諜報)とは、行間(inter)を読む(lego)という意味なので・・・(中略)、・・・隠されている情報をつかみとっていく作業は、知的ゲームとしては実に面白い。私にはその適正があると思う。しかし、このようなインテリジェンスという仕事を私は最後まで好きになることができなかった。

「好きなこと」と「できること」 - 横浜逍遙亭
重たくなる出だしであった。

そして同じく前書きで、本文で紹介されている「鈴木宗男の哀しみ」と題されている本文については一番綴るのに難産であったと述べられているが、私自身も読後とても寂しい気持ちになった。同じ文中で言われているのだが、佐藤氏のベストセラーである。「国家の罠」は志半ばで北方領土交渉や政治の表舞台から引きずり降ろされた鈴木宗男氏の無念を鎮めるための「鎮魂の書」であったというとだ。

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

しかし、本当に佐藤氏の知識・知力には驚く。このような人物を第一線から退けてしまうとは、本当に勿体無いことをしてしまったと痛感する。