[読書]ナショナリズムとは・・・ 〜インテリジェンス人間論(その2)〜

昨日のエントリー(2008-01-13 - Fere libenter homines id quod volunt credunt)の続きとなるが、同書の中で最近世の中で何かと話題になっている「ナショナリズム」について少し分かりやすい解説があったので、記録しておきたいと思う。

同書第9話(全19話)の『「異能の論客」蓑田胸喜の生涯』の最後に記されていた。以下の通り引用する。

ナショナリズムの凄みは、民族=国家のためには自己の生命を捨て去る気構えができていることだ。

としている。そして続けて次の通り「宗教」と絡めて説明している。

大多数の人々にとって宗教が生き死にの原理でなくなった現代において、ナショナリズムは生き死にの原理を提供する代替宗教としての機能を果たしているのだと思う。自己の生命を大切にしない人は、他者の命を大切にしないし、他者の内在的論理を摑むことが苦手になる。思いやりがわからなくなってしまうのだ。そして「思い込んだら試練の道」という星飛雄馬型で閉塞した空間を作りだしていく。

短い文章で納得の説明であった。
今の世の中古代ローマのように「寛容」の精神をもって、もっと他者の存在を認め理解し合える土壌を作らねばならないと改めて思った。

そうそう、今こうやっている最中に思い出したのだが、本書には書かれていないが佐藤氏は別の著書(確か「ナショナリズムという迷宮」だったと思うが)で「イエス・キリスト」の事を「ネズミ男」型の人物であると言っていたはず・・・。