節分の日に。。。 鬼が出た!!

朝、家を出ると何やら独特の臭いが辺りに漂っていた・・・
臭いの記憶を辿ると、魚の脂が焼ける臭いだった、そうだ!今日は節分、鰯を食べる日だと気がついた。
臭いの元は、近所の錦市場や大丸からだった。
こういう朝の何気ない臭いで季節・行事を感じる。

さて、節分の日の我が家はというと・・・
帰宅した長男が言った。
「今日、“お父さん鬼”さん?」

「どうかなぁー?ホンマモンが来るかもしれんよぅ」
ちょっと長男は不安気な様子だった。食卓の上には鬼が何時現れてもいいよにと豆が小皿に入れて用意してあった。

そんな中、夕食の時間。今年の恵方「東北東」を向いて巻き寿司?恵方巻き?を食べる。黙って黙々と食べる。
それぞれが食べ終わるまでの間は、いつもの食卓には無いとても静かな時間が流れた。
そして夕食が一段落すると、私は
「ちょっとトイレに行くよ」
と言って席をたった。
そして、一目散に服を脱ぎ、お面を付け用意をし部屋のドアをノックした・・・
「はぁーい」と言ってドアを開けた長男、鬼となった私の姿を視認するなり表情が一変した。
今にも泣きそうな、必死の形相で食卓まで駆け戻り豆を取って、投げつける!
私も少し応戦する・・・
泣きそうだ。妻が“退散”の合図。
そして鬼は去った・・・
元の“お父さん”に戻ってから部屋に帰ると、そこには呆然としやや憔悴した感じの長男がいた。
妻には「お父さんは、やり過ぎ!!」と言われた・・・

しかし、以前は泣きじゃくって逃げ回るだけだった長男も立ち向かってこれるようになった。
成長を感じる一時だった。

そうそう、巻き寿司を食べながら暫く前にNHKでやっていた回転寿司の「寿司」対「SUSHI」の話を思い出した。
海外の「SUSHI」はほとんど“ロール”と呼ばれる巻き寿司の形が一般的で中に入れる具材も様々であるということであった。
その時観ていて驚いたのはその作り方、フランス人の元シェフが作る“ロール”は酢を効かせるとウケないので、プラスティックグローブを嵌めた手にマヨネーズをたっぷりと塗って、その手で“ロール”を作っていた。
あれには驚いたのと、それを観て海外の巻き寿司のテカテカ具合に納得したのだった。

フランス料理、イタリア料理を学ぶ日本人は多いけれど、寿司を学ぶ欧米人はまだ少ない。
「ロール」ってSUSHIもそれなりにこれからの時代は“アリ”なんだとは思うが、日本人としては悲しい。
やはり寿司を学んだ欧米人が、自国で「寿司屋」をやらないと、ゆがんだままの「SUSHI」が数の力でどんどん拡がってしまうのじゃないだろうか・・・

こんな事を考える節分だった。