ピークの維持とタイミング

この時期になると入院中の患者さんの出入が激しくなってくる。正月をご自宅で迎えるため軽快して退院する方、また状態が安定しているので一旦外泊をされる方などである。
だから私としては12月半ばぐらいからは退院、外泊の“予定”や“希望”の方が体調を崩されたりしないようにとても気を使う。特にご高齢の方の場合はそうだ、ちょっとした発熱の影響で体調を一気に崩されてしまい外泊どころではなくなってしまうからだ。
しかしながら、今年は今日現在なんとか外泊や退院希望の方は無事に帰宅出来そうなのでホッとしている。

さてさて、以前「人の健康は幅の狭い平均台の上にあるようなものだ」という事を書いたが、高齢の方の入院から退院という事に関連してよく実感することでもある。
疾病や傷病により入院され、その後、ご本人の努力私たちのちょっとしたお手伝いによって快復されたとする。一番イイのは快復され、その快復された最も良い状態のまま退院されることであるが、現実にはそう簡単にいかないことの方が多い。ご家庭の何らかの事情で受け入れ態勢が整わなくって、退院出来る状態になってから実際の退院までに時間がかかってしまい、結局その間に発熱や別の何らかの影響で「最も良い状態」から落ちてしまうことがある。そしてまたそこから更に回復されれば良いのだが、「最も良い状態」にまで戻られる方は少ないのが実情だ。

だから高齢の方の退院に際してはよく思う
「今なら帰れるのに・・・」や「もう少し早かったらもっと状態が良かったのに」
ということを・・・

ご高齢の方の健康ピークの維持と、ご本人にも家族にもそして私たちにとってもベストなタイミングでの退院というものは難しいのだ。