明け方のこと・・・

気が付くと私はどこか大きな建物(階層は高くない)のバルコニーかテラスに居る。
目の前にはグラウンドがあり、その向こうには街が広がっていて、建設中のマンションやビルの姿も見える。

天気は好く、空には雲一つ無い。夏空ではない爽やかな秋の空が頭上に拡がっていた。
その空を見上げていると、一機の飛行機(プロペラ機)が雲を引きながら飛んでいた。飛行機の姿は高空にあるにもかかわらず、機体のカラーリングが確認出来る、真っ白の機体に赤いラインが入っている姿だ。
そしてその飛行機は雲を引きながら、見事なアクロバット飛行を行った。次から次へと見事な技を繰り出す、しかし私以外は誰もそのアクロバット飛行を観ている様子はない。私の周りには全く人がいない訳ではなく、目の前のグラウンドでは子供達が遊びそれを見守る大人の姿も在る、しかし誰も空を見てはいなかった。

そしてまた空を見上げるとまだ飛行機は飛んでいた。相変わらず雲を引きながら色々やっている、すると宙返りの途中で突然引いていた雲が途切れた、そして宙返りを終えた飛行機は急降下を始めた、グングン、グングンと地上に向かって降下してくる、そして何時反転し上昇を始めるのだろうと思いながらみていると…、そのまま地上に激突してしまった。

一瞬状況が理解出来なかった。
土煙が立ち上り、その後に機体から煙と炎が出て爆発してしまった。周囲には好奇の目で見ている子供達の姿がある、私も含めて大人達はただ呆然として見ているだけだ、身体が動かないのだ。
そしてようやく現場に駆け付けようとして動き出した途中で泣き声が聞こえた、そこで目が覚めた、隣で子供が泣いていた、朝だった。

妙にはっきりと、そして生々しく覚えている夢だった。