ちょいと昔の話

以前、ある醸造の専門家の方からこんな質問をされた
「日本人が、日本食以外で最も美味しいと感じる国の食事は?」
うーん、突拍子も無い質問だった。その時は何となく近くの国だからという理由で中華や韓国料理を挙げた。
しかし、答えは違った。こうだった。
イタリア料理だよ。
ということだった。
??? なんで ??? 
流行っているからとかそういう単純な理由ではなかった。根拠はこうだった、「その国で多く造られ飲まれている酒類のアルコール度数に、その国の料理の“油っぽさ”は比例するから」ということだった。確かに中華料理と白酒、ロシア料理とウオトカ。。。 ちょっと納得。
日本の場合は“日本酒”これは度数15度前後だ、同じくイタリアで飲まれるワインもアルコール度数は13~15度くらいだ。じゃあ、同じくワインを飲む“フランス料理”じゃないのはなぜか、それは素材のタイプや調理法の違いがあるということだった。イタリア料理は魚介類をよく使用するし、その上生で食すこともある、日本人の感覚に近いということだ。それにオリーブ油の存在、よく使う。日本食も意外と油を使用することが多い、確かに精進料理をみていても、揚げた物や油が多く使われたものが目につく。
お酒のアルコール度数、素材の質、油の使い具合等からすると日本人の口にあう海外の料理は“イタリア料理”となるんだとの理由だった。

皆さんはどう思います?

同じような理屈で“地酒”(ワインも含め)と“地料理”との関係も説明できる
旅先なんかで楽しむ地酒と地料理の組み合わせは妙に美味しい。これは至極当然のこと、地酒を造る人は地元の水を飲み地元の食べ物を食しているから、自然とその味覚に合う“地酒”を造るようになる。
“地酒”造りにはその土地の気候風土が大きく影響する、元になる原料もそうだが醸造段階ではその土地の微生物の影響が少なからずある、それが“地酒”の個性になる。確かに日本酒にしてもワインにしても醸造所は薄暗く黴臭い、実際丹波ワインの醸造所もワインの発酵場所や貯蔵庫の天井なんかを見るとカビのようなものが生えている。

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ここの天井は真っ黒だ。
以前何かの番組で観た小さな醸造家のベルギービール醸造課程も“風土菌”無しでは出来ない作り方だ。
作り方は単純で、麦を煮た麦汁を窓を開け放した醸造所2階にある浅く広いタンク?に入れるだけだった。
そして「後は風が作ってくれる」と、風が運んでくる風土菌が麦汁を発酵させビールを造るということだ。

地酒を造るには、“天”である気候、“地”である産出される作物や水等のその土地ならではのもの、そして“人”である造る人の努力や、その土地で育った、その土地で生きている人の力が必要だ。
この三つが合わさると良い物が作られる。
酒と料理は一体なんだ、二つがそろうと何倍も美味しくなる。
ってことを過去に教えてもらった。

なーんて昔話をちょっと思い出して書いてみました。

それにしても大分の焼酎に、ふぐ料理、地鶏料理は美味そうだったなぁー。。。
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今夜の私のお供は芋焼酎です。