痛みの先に

前にも書いたが、私の仕事は相手の方にかなりの痛みが伴う行為を強要せざるを得ない。

それは必要なことであるから行っているわけなのだが、あの痛みは耐え難いものだと思う。
だけど「ちょっと我慢してねぇ」といいながら“グイッ!”とやる、しかし心の片隅では「ゴメンネ」といつも呟やいている。。。

そんなふうに人と痛みの間でウロウロとしているのだが、ある80代の男性にこんな事を言われた

私:「いつもいつも痛いことばかりしてゴメンナサイねぇ」

男性:「いえいえ大丈夫。痛いですけど“鬼手仏心”ですものね」

私:「(鬼手仏心???)初めてききました」

男性:「以前通院していた耳鼻科の待合室に掲げてありました。痛いけどそれが優しさですもんね」

それを聞いて私は頭を下げることしか出来なかった。
なかなかそこまでは言ってもらえない、その一連のやり取りで救われた気がした。

鬼手仏心・・・ ありがたい言葉だと思う

とは言われてもやるべきことは変わらない
鬼であっても仏であっても目的は一つ患者さんにとっての最善手を目指す。
それだけだ。