ローマ人への20の質問
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2000/01
- メディア: 新書
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これをちょこっとづつ目を通しています。
中身としては日本人が中高の歴史の授業で習う「古代ローマ」「帝政ローマ」から得る知識・イメージを元にした質問に対して著者の塩野七生氏が答えていくという形式で進められていきます。
例えばこんな質問があります
ローマは軍事的にはギリシアを征服したが、文化的には征服されたとは真実か?
古代ローマ人と現代の日本人の共通点
多神教と一神教との本質的な違いについて
などといった質問があります。
こういった質問に対して「多神教と一神教・・・」ではこんな風に答えています
ギリシア・ローマの神々には、人間にどう生きるかを指示する役割はなく、自分で考えて努力しながら生きる人間をサポートするだけが役割でした。それゆえに完全無欠である必要もなく、また人間の願望が多様であるのを反映して、それぞれの面でサポートできるようにと、神の数も多くなったとさえ考えられます。
反対に、ユダヤ教や、それから派生したキリスト教の神は、人間に、どう生きるかを指示する存在です。援助するのではなく、命令し、従わなければ罰を下す神です。一神教の神が完全無欠であるのは、不完全な人間を超越した存在であることが求められたからでしょう。
と言っています。
で、結局のところローマにおいての多神教世界と一神教世界との争いは一神教世界の勝利で終わってしまうわけです。
だけど、この辺りの神話や神への考え方・捉え方が人の移動と共に伝播していき、各地の文化と融合・発展し、そして辿りついた東の方の国では余程の信念が無い限り、神も仏も何でも来い!の生活を毎日送っています。
面白いですね。
またちょこちょこ読んでいきます。